24市町で使える地域共通ポイント導入へ 広島広域都市圏

24市町で使える地域共通ポイント導入へ 広島広域都市圏

広島市は広島、山口の両県24市町でつくる「広島広域都市圏」で利用できる新しい地域共通ポイント制度を来年度からスタートさせます。

既存の民間業者のポイントや電子マネー(カード型)との連携し、同じICカードで、健康診断の受診やボランティア活動などに応じて付与される行政からのポイントも得られる仕組みで、3月末までにポイントの運営事業者を募集した上で選定し、10月頃の利用開始を目指すとのことです。

広島広域都市圏の地域共通ポイントの仕組み

広島広域都市圏の地域共通ポイントの仕組み

1枚のカードに集約

新しいポイントは、制度に参加する加盟店での買い物の時などにICカードを提示すれば、100円につき1ポイントが付与されます。公立の美術館や博物館などの文化施設の利用、行政が指定するボランティア活動や健康増進活動などでも、ポイントがたまり、1ポイントが1円相当として加盟店での買い物や寄付などに使えるとのことです。

このICカードやポイントは、既存のカード型電子マネーを利用する予定で、これにより加盟店や利用者への負担を軽減する予定です。

地域経済活性に期待

広島市は市議会に提案中の来年度一般会計当初予算案に制度の導入費用として1400万円を計上しており、すでに電子マネーなどを運営する複数の民間業者から問い合わせが、市に寄せられています。

このような使用地域や用途を限定した「地域通貨」は各地で広まっており、北海道苫小牧市では、地元の商店街組合と流通大手「イオン」が連携して2016年にスタートさせ、1年以内に3万枚を発行するヒットになったほか、東京都や宮城県、沖縄県などの広域で使える通貨も出ています。

広島市の担当者は「圏域全体での経済効果や地域活動の活性化を促すことができる共通ポイントにしたい」と今後の展開に期待を寄せています。

ガラパゴス化への懸念?

地域経済の活性化が日本全体での急務という考え方は否定しませんが、本来利便性を追求するための電子マネーやポイント制度がガラパゴス化しているのでは?という懸念もあります。

現在はキャッシュレス社会の黎明期ですので、様々なアイデアを試行する段階なのかもしれません。ただ、日本のお家芸とも言える複雑怪奇なガラパゴス化によって、この流れが停滞することは避けなければなりません。

地方自治体の試行錯誤を注意深く見守りつつ、便利なキャッシュレス社会の実現を願うばかりです。

広島広域都市圏とは

広島広域都市圏は、広島市の都心部からおおむね60km、車で約1時間の圏内にある、東は三原市エリアから西は山口県柳井市エリアまでの24市町で構成されています。

広島広域都市圏には県内の広島、呉両市や熊野町などのほか、山口県の岩国、柳井両市など24市町が加盟し、圏内人口は232万人(2015年国勢調査)。

圏域内には、嚴島神社(廿日市市)や広島平和記念資料館(広島市)、大和ミュージアム(呉市)、錦帯橋(岩国市)といった年間観光客数が60万人を超える施設等のほか、多様な文化・スポーツ施設などがあります。

また、その周辺地域には、三段峡(安芸太田町)等の自然資源、神楽門前湯治村(安芸高田市)等の伝統芸能資源、さらには、呉市(御手洗地区)や竹原市、柳井市の重要伝統的建造物群保存地区等の歴史資源などもあります。

広島広域都市圏では、1993年、13市町により「広島広域都市圏形成懇談会」を設立以降、圏域というエリア設定をいかしてその一体的発展に向けた交流・連携を推進してきました。2012年2月には4町が加わり、「懇談会」を「広島広域都市圏協議会」に改称し、さらに、2015年7月、7町が加わって、現在に至っています。

「広島広域都市圏協議会」では、圏域内のまちの活性化と産業・経済の活力増進を図ることを目的として「まち起こし協議会」を設置し、「神楽」や「食と酒」といった地域資源を積極的に活用した取組を進めています。

広島広域都市圏

広島広域都市圏

圏域を構成する市町

広島県
広島市(連携中枢都市)、呉市、竹原市、三原市、大竹市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町、大崎上島町、世羅町
山口県
岩国市、柳井市、周防大島町、和木町、上関町、田布施町、平生町
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