QRコード決済の利用者は1割未満 世代による利用者割合に隔たりか? QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査 2018年
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有限責任監査法人トーマツは8月31日、「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査」の結果を発表しました。 対象者は10代~50代のスマートフォン保有者かつスマートフォンアプリ利用経験者2,000名となっています。
- 利用経験は年代よりも価値観による差が顕著で、新しいモノ好きな志向が強い層が牽引
- QRコード決済・モバイル決済ともに、5割超が月一回以上利用
- QRコード決済の魅力は、現金・カードの持ち歩きが不要、支払いがスピーディ、ポイントが貯まってお得
- キャッシュレス社会に6割がポジティブな意見で、生体認証決済は認知率・利用意向ともに6割
QRコード決済・モバイル決済の利用状況・利用頻度
QRコード決済の利用について聞くと、「利用したことがある」は9.1%。世代別では20・30・40代で1割超、10代と50代で1割未満が利用しているとわかりました。 また、モバイル決済の利用について聞くと、「利用したことがある」は20.0%。世代別では30代と40代で2割を超える利用者がいました。
QRコード決済に対する魅力的な要素
QRコード決済を利用したことがあり、かつ利用に満足を感じている人にQRコード決済の魅力について聞くと、以下のような結果が帰ってきました。
- 「現金・カードを持ち歩かなくてもスマホだけで支払いができる」36.6%
- 「現金に比べて店頭での支払いが簡単でスピーディ」32.9%
- 「支払うたびにポイントが貯まるなどお得」32.9%
- 「ATMでお金をおろさなくても済む」28.0%
- 「QRコード決済が使えるお店が増えてきた」21.3%
- 「LINEや楽天などすでに利用している企業の新サービスだから」21.3%
- 「QRコードを読み取るスタイルが楽しい」20.1%
クラスター(集団)分析
本調査の回答をもとに、生活消費およびキャッシュレスに対する意識をもとにクラスター分析を実施し、全回答者を「コンサバ消費派」「こだわり消費派」「消費無関心派」「クレバー消費派」「トレンド追求派」の5つのクラスターに分類。キャッシュレスの進行に肯定的意識の高かったクラスターは「クレバー消費派」と「トレンド追求派」で、その2つのクラスターをキャッシュレス層、それ以外が非キャッシュレス層に分けられました。
QRコード決済の展望
今年7月にはソフトバンクとヤフーが新しいスマホ決済サービス「PayPay」を2018年秋からスタートさせる予定など、 日本のキャッシュレス界隈も俄に賑わいを見せてきました。
キャッシュレス決済の推進は日々の生活をシンプル&スピーディにするにとどまらず、 訪日観光客の支払いハードルを下げ、インバウンドの経済効果を飛躍的に高めるはずです。
人手不足、労働力不足に疲弊する昨今、決済のスリム化の恩恵を最大限に受けれるよう、 店舗側はもちろん、われわれ利用者側も意識改革がひつようでしょう。